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よくあるご質問(1)

結膜悪性黒色腫(メラノーマ)は眼窩内容除去しなければ、転移して死亡するのか?



 結膜の広範囲に広がった悪性黒色腫はなかなか治療の困難な腫瘍です。 英国の研究者の信頼が置ける論文によれば、最初から眼窩内容除去(眼瞼、眼球、眼窩内組織の全てを取り除く)手術を最初から行った場合と、初めは他のもっと侵襲が少ない治療を行い再発したので二次的に眼窩内容除去術をした場合とで、長期生存率に差が無かったことを報告しています。
 私自身の経験でも眼窩内容除去をしましたが、局所再発は無いのに転移で死亡した方を経験しています。 腫瘍を手術的に除去して、その部位に冷凍凝固を行い、再発を少なくする治療が一般的に行われています。私は炭酸ガスレーザーを使用して、腫瘍を蒸発させた方が治療効果が確実だと考えて、これによる眼球保存療法を開発しました。 広範囲に有る場合は癒着を起こさない様に、何回かに分けて行っています。 腫瘍がそれまで広がってきた時間を考えれば あわてて一回で全てを治さなくても、いいようです。
参考資料: