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よくあるご質問(3)

眼部悪性リンパ腫は、無治療で経過観察したら、手遅れとなるのか?



  眼部に発生する悪性リンパ腫には種々な種類がありますが、多くの場合は低悪性度です。腫瘍の一部を切除して病理組織検査を行い、低悪性度であると診断されたら、私は患者さんに、経過観察するだけで、放射線照射や化学療法をお勧めしていません。
 その根拠は、国立がんセンター中央病院で経験した33例の症例で、67%は無治療での長期的な経過観察で、腫瘍の増大や全身化が見られなかったからです。 又別の症例で、反対側の目の周囲に発生した低悪性度悪性リンパ腫で、放射線照射を受けて、腫瘍は消失しましたが、放射線照射の影響で失明に近い状態になった方で、反対側に同じ腫瘍がその後発生しました。 この事は治療を行っても、反対側に再発する事を予防できないことを意味しています。
 この問題については、私の共同研究者が英文の論文として、最近発表しましたので、詳細をご希望の方はご覧下さい。(→PDFダウンロード